薄毛には運動が効果的!運動は抜け毛予防に効果ありだがAGAには効果なし
運動することは、心身のバランスを整えてくれるため、一般的な薄毛対策には効果的です。
しかし、AGA(男性型脱毛症)を発生している場合、運動が逆効果になることがあるため注意してください。
ここでは、有酸素運動の抜け毛予防効果やAGA対策、筋トレの髪への影響などについて解説していきます。
目次
有酸素運動をすると、生活習慣の乱れによる抜け毛を抑える育毛効果はある。
有酸素運動をすることで、生活習慣の乱れによる抜け毛や薄毛対策になります。
食生活の偏りや運動不足を感じている人は少なくありません。このような生活習慣の乱れが、抜け毛を招いています。
そのため、心身のバランスを整える有酸素運動を行うことが重要になってきます。
有酸素運動は血行を促進する育毛効果で抜け毛を抑える
多くの有酸素運動では、30分以上軽い運動を続けます。
そのため、体脂肪の燃焼の他、心肺機能の向上や適度な筋力アップ、そして血行促進が期待できます。
いずれの要素も、髪の成長には欠かせません。
毛根部分に十分な栄養分を送り届けることができるためです。
有酸素運動中は心臓がよく働くことで、頭部への血行が増えます。
また、有酸素運動後も30分程度は体脂肪を燃焼させる効果が持続することも見逃せません。
肥満は血液の質を悪化させ髪の栄養不足を招くため、肥満対策は薄毛対策につながるのです。
さらに、適度に筋力がつくことで、運動していない時でも血行促進効果が持続します。
そのため、生活習慣の乱れによる抜け毛対策には、有酸素運動がたいへん効果的なのです。
ストレスを軽減する効果で抜け毛を抑える
有酸素運動はストレスを軽減する効果もあるため、ストレスによる抜け毛も抑えることができます。
育毛環境を悪化させる大きな原因の一つがストレスであることは無視できません。
体に強いストレスがかかりつづけると、特に自律神経の機能が低下します。
自律神経には、血管の拡張や収縮をはじめ、心拍数や体温の調整、内臓器官の機能維持など、実に様々な働きがあります。
この自律神経の機能が低下すると、睡眠不足や血圧上昇、血行不良などを招いてしまうのです。
その結果、抜け毛が増えてしまいます。
そこで有効なのが有酸素運動。定期的に有酸素運動をすることで、ストレスを軽くし、自律神経も整えることができます。
有酸素運動は、ストレスの蓄積を予防することも期待できるため、薄毛対策にたいへん効果的でしょう。
関連記事→運動不足が薄毛の原因に?運動の抜け毛への影響と髪に良いスポーツ
有酸素運動でAGAの抜け毛を抑えられない:ジビドロテストステロンを抑制できない
有酸素運動は、生活習慣の乱れによる抜け毛対策には有効です。
しかし、抜け毛の原因がAGA(男性型脱毛症)の場合は、抜け毛対策にならない場合があるため注意してください。
筑波大学の研究では、軽い運動で脳にある海馬でのジヒドロテストステロン(DHT)の増加が証明されていますが、同時に血中DHT濃度の数字も出しています。
研究結果では、強度の低い運動後に、海馬でのDHT濃度は増加するとはっきり結果が出ています。
一方、血中のDHT濃度はほとんど変わらないという結果が出ています。
引用元:低強度運動は海馬DHT濃度を高める-アンドロゲンの神経新生促進作用
そのため、軽い運動をしても頭皮に送られるジヒドロテストステロンは抑制できないと言えます。
反対に、有酸素運動の血行促進効果によってより多くのジヒドロテストステロンが頭皮に送られることになるため、AGA対策に逆効果になる場合もあるため注意してください。
特に、男性ホルモンの分泌量が多い人や脱毛酵素の5αリダクターゼの量が多い人は、抜け毛が増える可能性が高いでしょう。
関連記事→【ダイエットが原因の薄毛】ダイエットで抜け毛が増える原因とケア方法
運動の薄毛への効果:有酸素運動はAGAの薄毛に効果はない
有酸素運動はAGA対策に効果が期待できないことがわかりました。AGAを発症している場合、運動を続けても髪が生えてこないどころか抜け毛の抑制もできないため注意してください。
運動をしてもAGAによる薄毛の髪の毛は生えてこない
運動をしてもAGAの根本的な原因が取り除かれるわけではないため、薄毛部分の髪の毛は生えてきません。
AGAの原因は、男性ホルモンのテストステロンと5αリダクターゼが結びついて、脱毛を引き起こすジヒドロテストステロンが発生することです。
そのため、この結合をブロックしなければ、AGAによる抜け毛は抑えることができません。
有酸素運動は、あくまでも血行促進や自律神経の調整、肥満対策に有効です。
もし運動によってAGAによる薄毛改善を期待するならば、事前にジヒドロテストステロンや5αリダクターゼをブロックしていることが必要です。
その上で有酸素運動を行うならば、薄毛対策に効果的でしょう。
ある程度ハゲてしまっているなら、AGAクリニックか発毛剤がおすすめ
AGAは一度発症すると、適切な対策をしない限り抜け毛は進行しつづけます。
このAGAによる薄毛対策でおすすめは、AGAクリニックでの薬の処方や発毛剤の塗布です。
AGAクリニックは民間療法を行っているわけではありません。
日本皮膚科学会のAGA診療ガイドラインにもとづいた薄毛治療が行われています。
たとえば、5αリダクターゼを阻害する「フィナステリド」を内服薬として処方しています。
ガイドラインでは、 フィナステリドの推奨度はもっとも高い「A」にランク付けされています。
この5αリダクターゼをブロックすることで、テストステロンとの結びつきを断つことができます。
結果的に、AGAによる薄毛は現状以上に進行しません。
またクリニックによっては、ミノキシジルの内服薬を処方するところがあります。
ミノキシジルは降圧剤として開発された薬ですが、発毛効果があることから医師の判断で処方する場合もあります。
ただしAGA診療ガイドラインでは、ミノキシジルの内服は推奨度がもっとも低い「D」にランク付けされているため注意してください。
全身の多毛症やむくみなどの副作用が確認されているためです。
そのためAGAクリニックでは、ミノキシジルの内服で問題が発生しないように対策がとられています。
たとえば、処方前の遺伝子検査をはじめ、治療中の定期的な血液検査や血圧測定などです。
そうすることで、安全にAGA治療を続けることができるでしょう。
ミノキシジルには外用薬もあります。頭皮に塗布するタイプで、内服薬よりは効果は期待できないものの、副作用は少ない特徴があります。
そのため、ミノキシジルの内服薬の代わりに外用薬を処方しているクリニックもあります。
副作用が気になる人は、外用薬を塗布するようにしましょう。
また、場合によっては早期の発毛のため、ミノキシジルの内服薬と外用薬の両方を処方しているクリニックもあります。
市販品でも「リアップ」のように、ミノキシジルが配合された発毛剤があります。
ただし、購入の際は薬剤師に確認する必要があるため注意してください。
筋トレは抜け毛予防にならない
筋トレで筋肉量を増やすことは、多くのメリットがあります。しかし、筋トレが直接抜け毛予防になることはありません。
また、AGAによる抜け毛が進行している場合は、筋トレが逆行になるため注意しましょう。
筋トレをすると男性ホルモンが増えるが髪に悪くない理由は肥満対策や成長ホルモンの増加ができること
筋トレは、有酸素運動とは反対に無酸素運動と呼ばれ、短時間で筋肉量を増やすためのトレーニングのことを言います。
筋トレの効果には、見た目がたくましく見える他、男性ホルモンの増加や基礎代謝量アップによる肥満対策ができること、そして成長ホルモンの増加に有効なことなどがあります。
まず、筋トレによって、男性ホルモンの「テストステロン」の分泌量が増加します。
テストステロンの分泌量が増加すると、筋肉量が増えやすくなる、集中力がアップする、生活習慣病の予防になるなどの効果が期待できます。
テストステロンが増加することで、抜け毛が突然増えると心配している人も少なくないでしょう。
しかしAGAを発症していない限り、テストステロンが抜け毛を引き起こすことはありません。
次に、筋トレによって肥満対策になります。
筋トレによって筋肉量が増加すると、安静時の消費カロリー量も増加します。つまり、基礎代謝量が増えます。その結果、太りにくい体質になり肥満対策につながるのです。
肥満は脂質異常症や高血圧、動脈硬化など、多くの病気を発生させる原因になります。
血液の質を低下させて抜け毛の原因にもなるため、筋トレで肥満対策をすることは薄毛対策に効果的でしょう。
そして、筋トレは成長ホルモンの分泌量増加にも効果的です。
成長ホルモンは、筋肉や髪の成長に欠かせません。
しかし、主に睡眠中に分泌されます。
筋トレをすることで睡眠時以外にも成長ホルモンを効果的に増やせるため、髪への良い影響が期待できるでしょう。
運動はジビドロテストステロンを増やしAGAの抜け毛対策にならないのでAGAの薄毛に逆効果
筋トレにはデメリットがあることを忘れてはいけません。
AGAを発症している場合、筋トレによる男性ホルモンの増加は抜け毛を加速させることにつながるため、薄毛対策にはならないのです。
特に、重量の重いウェイトトレーニングのような高強度筋トレを行うことで、男性ホルモンの分泌量はより増加するため注意してください。
AGAを発症している場合は、あくまでも原因を薬剤を用いて取り除くことが必要になってきます。
そのため、筋トレでAGAによる抜け毛は止められません。